2010-01-01から1年間の記事一覧

宇都宮作業はほとんど完了。 でも相変わらず、何もやる気がおこらない。 もうすぐ長野に帰れるのだが。 定時で帰り、「フーコーの振り子」の上巻を読了。

「アジアラーメン紀行」森枝卓士 徳間文庫 読み通せるほどの内容ではあったが、それほど面白くはなかった。 どうも言葉がスレているような感じ。

家でも役立たずの自分が居る。 早くに末娘と風呂に入り、発泡酒を飲んでふて寝。 夜中に春雷。 かなり家中に響く。 大丈夫かな、うち。

「フーコーの振り子」上巻 エーコ 若い頃なら喜んで読んだであろう、オカルト好きな人々がわいわい騒ぐお話し。 しかしそこはイタリア人。 日本人や米国人が書くような深刻なオカルト小説にはならず、とたも肉感的というか地に足が着いているというか、幻覚…

二日酔い。何もやる気にならない。 定時で帰り、「フーコーの振り子」を読む。

「区間阿房列車」内田百間 だらだらと汽車のことが書いてある。 前作の「特別阿房列車」が急ぎ過ぎたので趣向を変えたのだろう。 いづれにしても百間の傍若無人さが面白いことには変わりない。

飲み会に出るが最悪。 かなり悪口を云ったものと思われる。

「エミリーの薔薇」フォークナー 久しぶりに読み返して、こんなにゴシックな話だったかなと自分の記憶がもはや信じられないことを知る。 短編としてはやはり傑作である。

給料減給を告げられる。 この五年間いったい何をしてきたのだろう。

「未亡人」モーパッサン 思い込みの激しさと少しばかりの踏み外しで、一生を不幸にしてしまった女性の話。

慌しい日曜日。 息子の吹奏楽やら地域の子供会やら。 単身赴任中なので役員は免れる。

「隣の嫁」伊藤左千夫 牛飼いが書く前近代の農村の悲恋。 タイトルからして不倫ものだと分かるのだが、いまの時代で想像されるようなものではなく、押し殺したような目に見えぬ針金を描いたような短編。 終わり方も冷たく、歴史による感覚の違いを感じさせる…

末娘と午前中遊び、一緒に昼寝をする。 少しヘッセの短編を読む。 末娘と風呂に入る。 ビールを飲む。 十時過ぎに末娘と一緒に寝る。

「緩斜面」堀江敏幸 凧あげの話。 いまこういうなんでもない話を惹きつけるように読ませる作家は少ないと思う。「雪沼とその周辺」所収

昼に大盛りカレーを食べる。 そろそろ大食いは控えなければとおもうのだが。 今日は四時で仕事を切り上げて、長野に帰る。 三月で宇都宮完了が決まったので、あともう少しの我慢。

「ピラニア」堀江敏幸 おいしくない食堂を営む店主の独白。 この短編集で堀江敏幸が描く人物は地方に住んでいる普通の人々ばかりなのだが、すこしばかり傾いでいる。 ほんの少しだけずれている人を少しだけおかしく描いている。「雪沼とその周辺」所収

会社の規約が改悪されている。 不景気というかこの消費社会の矛盾というか。

「レンガを積む」堀江敏幸 地方都市によく見かける寂れた商店街の小さなレコード屋の店主の話。 なぜ流行らない店を続けているのか、どうしてこの店を開くに至ったのか。 淋しい川面を眺めるように彼の歩みを語る文章が優しい。「雪沼とその周辺」所収

堀江敏幸を読んで変なイメージを持つのは、平行して諸星大二郎を読んでいるからか。

「送り火」堀江敏幸歳の離れた夫婦にできた子供が大雨に飲まれて失われた話。 幸福と不幸を背負うことに身をつまされる。 子供を亡くすという忘れられない記憶が、いくら時が移ろっていっても後悔の中から色褪せない空虚を描いている。 悲しくてやり切れない…

朝、末娘の熱が下がる。 いろんなことがある。 宇都宮行きの新幹線で堀江敏幸を読む。 この日常の異様さはヤプーズに通じるものがある。

「送り火」堀江敏幸歳の離れた夫婦にできた子供が大雨に飲まれて失われた話。 幸福と不幸を背負うことに身をつまされる。 子供を亡くすという忘れられない記憶が、いくら時が移ろっていっても後悔の中から色褪せない空虚を描いている。 悲しくてやり切れない…

末娘の熱はまだ38度くらいある。 朝ご飯を一緒に食べて、また一緒に寝る。 3時ぐらいまで寝て、一緒に昼ご飯を食べる。 同じ風邪なのだろうか。 夜まで一緒に寝て、夕飯も一緒に食べる。 そしてまた一緒に寝た。 まるいちにち寝ていた。

「河岸段丘」堀江敏幸 小さな町工場を営む六十代の夫婦の話。 夫は工場の古い機械がおかしく感じられ、これも古くから付き合いのある六十代の修理工に見てもらうことを頼むのだが、どちらも年老いて小さくなってしまい、ふと人生の終わりを感じさせるのだが…

末娘が熱を出したというので、早くに長野へ帰る。 電車の中で堀江敏幸を読むが集中できず、代わりに内田百聞を読んだりもする。 家に帰ると末娘はまだ起きていて熱が39度ある。 一緒に寝るが、夜中咳をして何度も起きる。

「イラクサの庭堀」堀江敏幸 雪沼に移住した謎の女性をめぐるお話。 小さなレストランを営み、小さな料理教室を開いていた女性が亡くなる。 それまで彼女のことをよく知らなかった隣人たちがその片鱗を浮き上がらせるように小さな出来事を語り始める。 なん…

月報を付けるために部屋に早く帰ってきたのだが、インターネットやら社内システムの調子が悪く、三時間かかってやっと付け終わる。 まったくの無駄な時間を費やしてしまったものだ。 会社のネット依存も考えもののひとつ。

「スタンス・ドット」堀江敏幸 (2002) 心に染みていく、心に残る、とても静かで深い処に連れて行かれる短編。 中年から老年に差し掛かる男の話で、日常の些細な光景から過去の陰影が語られる流れがとても自然で印象に残る。 この小さなボーリング場を営んで…

息子の吹奏楽の発表会があるので、かみさんと子供たちは出掛け、自分と末娘は留守番。 仲良く遊んで仲良く昼寝する。 夜、新幹線の中で初めて堀江敏幸を読んで、泣く。 素晴らしい短編集だと思う。 おそらく村上春樹の「中国行きのスローボート」以来の感動…

「百万人の手話」丸山浩路 ダイナミックセラーズ (1980) もう30年ぐらい前の手話の本。 手話を覚えるという意味では現在のいろいろ工夫された本と比べると見劣りするが、はじめてプロの手話通訳者となった人だけに、文章にはとても説得力がある。 また、友人…