2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「太陽の中の女」ボンテンぺルリ

「太陽の中の女」ボンテンぺルリ むかし稲垣足穂の飛行機ものを読んでいるときにも感じた不可解な感覚と同じ感 触があった。 飛行機を身近にかんじないとわからないだろう、このユーモア、どうだね、君に 分かるかね、という踏み絵を踏まされている感じがす…

「世界文学は越境する」

「世界文学は越境する」 池澤夏樹+沼野充義+鴻巣友季子 文学界2008年2月号池澤夏樹個人編集「世界文学全集」が刊行された頃の対談。 この頃、ようやく少しは海外文学の紹介が盛り上がってきたのだろうか。 いまはまた冬の時代のような気もする。 読みたく…

「本は友だち」池内紀

川魚図志作者: 芦原修二出版社/メーカー: 崙書房出版発売日: 2001/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「利根川中下流域の五川三沼が主な舞台だ」 「川で生きてきた人々の口を通して川魚の本をつくる」江戸漂流記総集〈第1巻〉 (石井研堂コレクシ…

2015年10月

2015年10月の読書メーター読んだ本の数:2冊読んだページ数:589ページナイス数:3ナイス飲み屋のロック (SOFTBANK BOOKS)の感想ほんとに飲み屋での戯言集。すばらしい。おもしろう。読了日:10月30日 著者:みうらじゅん数学者の哲学+哲学者の数学―歴史を通…

「関係の原的負荷」加藤典洋

「関係の原的負荷」加藤典洋親殺しが増えている現在から、文学的な痕跡をもとに現在を辿ろうとしてる。 志賀直哉「和解」と沢木耕太郎「無名」の類似性と作家の出自をもとに彼らの文 学の類似性をたどっていく。 いくぶんにも関係性のこじつけのような気が多…

「会いたい人と会うように」

江藤文夫の仕事〈4〉1983‐2004作者: 江藤文夫出版社/メーカー: 影書房発売日: 2006/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る百物語 (新潮文庫)作者: 杉浦日向子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/11/30メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 56回この…

ささやき

自分のいびきが気になって、夜中にテープ録音したのを再生していたら、いびきをかいていたのではなくて、想像もしない訪問者が。。 という短くもよくできた、怖い話。 巻末の解説者が書いているとおり。 「奇想の大胆さと見事なコントラストを描く切なさは、…

SFM

SFマガジン2015年6月号 ハヤカワ文庫SF総解説PART2 (501-1000)読みたいB級本はこれ。 いまでは凄く、ルーディ・ラッカーが目立つ。 明日を越える旅 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF) 文庫 – 古書, 1983/4 ロバート・シェクリイ (著), 宇野 利泰 (翻訳) カエアンの…

「反復的な集合観」ジョージ・ブーロス/中川大訳

反復的な集合(iterative conception)とは何かを知りたくて読んだのだが、わからなかった。 ラッセルのパラドクスで有名な集合は矛盾を含むことからはじまり、ZFの公理は無矛盾であり、素晴らしいことを説いている。 置換公理によって、多くの望ましい帰結…

「地球防衛軍」

「地球防衛軍」ディック 「永久戦争」所収 浅倉久志訳冷戦時代が作り出したシニカルな短篇。 いま読むと、米国とソ連が和平を結べば地球は平和になり、人類は進歩するはずといった理屈が浅はかに見えてしまうほど、その後の世界の動きが後退し続けている印象…

「良い狩りを」ケン・リュウ 古沢嘉通訳サイバーパンクを通り越したファンタジィ。 清朝末と思われる時代背景に人体改造の技術が発達しているという歴史改変もの といえるが、前時代をパスティッシュしたようなおとぎ話と言えばよいか。 それとも香港映画の…