2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

あの丘越えて(1951)

1951年(昭和26年)。主役の子供は美空ひばり。 演技はともかく、確かに歌のうまさは天才的。 戦後のシンデレラ・ストーリーそのもので、あまりにストレートで素朴な話の流れがゆるくて気持ち良い。シンプルという低音は強力だ。 複雑な構成しかあえない現代…

「火葬」

「火葬」クリストファー・プリースト 「夢幻諸島」譚の短編のひとつ。 誘惑という文学的なモチーフを文化人類学的に転倒させ、見事に読者を驚嘆させてくれる。これほどまでに考えぬかれた物語の構成はいままであまり読んだことがない。いやそれは大袈裟だが…

「 娘十六ジャズ祭り」

昭和29年作。ジャズ少女歌手、雪村いづみを主役にしたあまりにも良き昭和時代を描いた映画。 良き昭和という言葉は溢れているが、精神的な意味で、民主主義的に健全なのだ。 敗戦でもう後戻りはない、という精神性もあったのだと思う。 ジャズとストーリーが…