2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「宮廷狩猟の場所で」オリガ・ラリオーノワ

「宮廷狩猟の場所で」オリガ・ラリオーノワ 訳:飯田規和「ポリオラの昼は地球の時間で七ヶ月続く。」 ポリオラという惑星を調査している話。 一角獣や二角獣が住む、特異な惑星の動物の生態や男女の関係がからむもの。 文学雑誌「オーロラ」に発表されたもの…

マインド・ウィンド

山野浩一「マインド・ウィンド」を読む。 これも傑作。 レミングの集団自殺になぞらえた集団散歩が世界で流行する。 その現象を商社の地方周りの営業マンの視点でその謎とともに、その意味をなぞらえていく。 いわゆる「レーゾンなんとか」、存在意義を扱っ…

首狩り

山野浩一「首狩り」を読む。 これは傑作。 首だけにされてしまう人々とその首を狩る者の話である。 なぜ首だけにされてしまうのかは、あとで明かされていくのだが、それまでの首を狩る男の独白が面白い。 心理的に迫るストーリーは、この頃の初期の筒井康隆…

「チャアリイは何処にいる」

フィラデルフィアで起きた実業家のふたりの息子の誘拐事件を描いた 牧逸馬の熟練した話風による実話。 こうした牧逸馬の実話は落語みたいなもので、もはや芸でもある。 地元の警察と誘拐犯のやりとり、実業家の両親の嘆き、市井の色めきなど がうまく伝わっ…

2018年11月の読書

11月の読書メーター読んだ本の数:1読んだページ数:108ナイス数:5自然と美学―形体・美・芸術 (1972年) (叢書・ウニベルシタス)の感想「形体」「美」「芸術」の三部構成の小論集。 カイヨワの「美」というものの本質を鉱物といった無機物を含む自然物の有り…