「宮廷狩猟の場所で」オリガ・ラリオーノワ

「宮廷狩猟の場所で」オリガ・ラリオーノワ
訳:飯田規和

「ポリオラの昼は地球の時間で七ヶ月続く。」
ポリオラという惑星を調査している話。
一角獣や二角獣が住む、特異な惑星の動物の生態や男女の関係がからむもの。
文学雑誌「オーロラ」に発表されたものらしい。
オリガ・ラリオーノワはレニングラードの作家。
物語を面白くするというより、論理的な整合性や男女の機微を文学的に書きすすめている。
そのため、SFとしての面白さはあまりないが、当時の外惑星観が共産主義と重なり合って描かれているところが歴史的である。

『青い惑星』所収
プログレス出版
現代ソビエトSFシリーズ6
ソビエト時代にモスクワで印刷された本。
なんだか紙自体が重たい。
昔の共産主義国では当たり前だった配本方法もいまでは懐かしい。