山野浩一

マインド・ウィンド

山野浩一「マインド・ウィンド」を読む。 これも傑作。 レミングの集団自殺になぞらえた集団散歩が世界で流行する。 その現象を商社の地方周りの営業マンの視点でその謎とともに、その意味をなぞらえていく。 いわゆる「レーゾンなんとか」、存在意義を扱っ…

首狩り

山野浩一「首狩り」を読む。 これは傑作。 首だけにされてしまう人々とその首を狩る者の話である。 なぜ首だけにされてしまうのかは、あとで明かされていくのだが、それまでの首を狩る男の独白が面白い。 心理的に迫るストーリーは、この頃の初期の筒井康隆…

メシメリ街道

山野浩一「メシメリ街道」を読む。 続けて筒井康隆編集の「'72日本SFベスト集成」の山野浩一「メシメリ街道」を読む。 これは昔、SFにはまっていた頃、「殺人者の空」で読んだ。当時はこれをニューウェイブとは捉えていなくて、この自分たちが住む近所、あ…

X電車で行こう

筒井康隆編集の「60年代日本SFベスト集成」が出てきたので、山野浩一「X電車で行こう」を読む。 再読なのだが、記憶は薄いモヤのなかにあり、当時はあまり感動してなかったのだろう。 しかしいま読むと解説で筒井康隆が書いている通り、「凝った章立てや構成…