2022-01-01から1年間の記事一覧

「あの頃、君を追いかけた」九把刀

「あの頃、君を追いかけた」九把刀 台湾作家の自伝のような青春小説。よくある悪ガキたちの青春ものではなく、普通というより、優等生たちの恋物語といったふう。中学から高校まで一緒だった主人公とその友人たち、そして彼等は共通の恋敵。その恋の相手は学…

『巨匠とマルガリータ』ブルガーコフ

『巨匠とマルガリータ』ブルガーコフ ブルガーコフの代表作。1928年に書き始め、ソビエト政府の弾圧の時代に1930年に原稿を燃やした後に、記憶によってまた書き直したという。このエピソードから推測されるような物語の展開もみられる。とにかく冗長な小説で…

『一私小説書きの日乗』西村賢太

『一私小説書きの日乗』(文藝春秋、2013年2月、2014年 角川文庫) 西村賢太が2月5日に死去。54歳。タクシー乗車中に意識を失ったらしい。 この人の小説は読んだことはないが、「本の雑誌」に連載していた日乗はなぜか面白くて読んでいた。ただの大酒飲みな…

「九十九階」呉明益

「九十九階」呉明益 魔術というイメージが各短編を通底している。 「十歳の子供がどこかに消えたまま、三ヶ月も見つからなかったなんて・・・」 どこかに消えてしまった少年とその友人が成人してからの対話。 とても現代的な「ささやかな自分たちの時間」を…

「ギター弾きの恋」呉明益

「ギター弾きの恋」呉明益 あわやかというか、とても青い恋物語。 「日本の読者には「昭和」を思い出させるような台湾らしい生活感と懐かしさが全篇に漂う。」と紹介されているが、これは確かに昭和の恋物語のようでもある。 まだ自分たちの生活圏が「街」や…

「邪神の神」高木彬光

「邪神の神」高木彬光を読む。 1956年に発表したクトゥルー神話もの。 ラブクラフトがはじめて訳されたのが1955年なので、日本ではじめてのクトゥルー神話作品のようだ。 名探偵・神津恭介が邪教の像をめぐって、推理劇を繰り広げる。 ホラーではあるが、変…

「金魚」呉明益

「金魚」呉明益 この短編はとてもエロティックだ。 姉妹と無軌道な男との関係。 ここでも棟と棟をつなぐ歩道橋で金魚のマジックを見せる魔術師が物語をつないでいく。とても視覚的な短編。

今週のごはん

今週の夕ごはん 月 ポトフ 火 ローストビーフ 水 タッカルビとサバかつ 木 麻婆豆腐と焼売 金 プルコギ 土 カレー

今週のごはん

今週の夕ごはん 月 キムチいため 火 油淋鶏とサニーレタス 水 ロールイカとほうれん草もやしサラダ 木 八宝菜 金 ジャーマンポテト 土 なべ

「歩道橋の魔術師」呉明益

「歩道橋の魔術師」呉明益を読む。 台湾小説家の短編集。 表題の「歩道橋の魔術師」は、マジシャンに憧れる少年と歩道橋の上で店を出しているマジシャンとの交流を淡いタッチで描いたもの。 少年は歩道橋のうえで、靴ひもや中敷きを売っている。 マジシャン…