マインド・ウィンド

山野浩一「マインド・ウィンド」を読む。
これも傑作。
レミング集団自殺になぞらえた集団散歩が世界で流行する。
その現象を商社の地方周りの営業マンの視点でその謎とともに、その意味をなぞらえていく。
いわゆる「レーゾンなんとか」、存在意義を扱っているある意味、SF的な道具を使うことで、人間の不条理、不可解さを際立たせる安部公房的なSFのようだ。
世紀末的な雰囲気もよくかもし出されていると思う。

SFマガジン」1973年7月号