首狩り

山野浩一「首狩り」を読む。
これは傑作。
首だけにされてしまう人々とその首を狩る者の話である。
なぜ首だけにされてしまうのかは、あとで明かされていくのだが、それまでの首を狩る男の独白が面白い。
心理的に迫るストーリーは、この頃の初期の筒井康隆に似ていると思う。

そして山野浩一に特有の時代的な暗さ、赤狩りという国家権力が強かった、ものがあった時代の雰囲気がよく出ている。

SFマガジン」1971年9月号