「太陽の中の女」ボンテンぺルリ

「太陽の中の女」ボンテンぺルリ
むかし稲垣足穂の飛行機ものを読んでいるときにも感じた不可解な感覚と同じ感
触があった。
飛行機を身近にかんじないとわからないだろう、このユーモア、どうだね、君に
分かるかね、という踏み絵を踏まされている感じがする。
わからないので、なんとなく、不条理なバーセルミケリー・リンクを思い浮か
べたりするのだが、そもそものユーモアの背景が違うことは明らかだ。
この飛行機というものが世の中に現れたときの驚きがわからないと、この短篇の
発想や稲垣足穂のエッセイはきっとわからないのだろうな。