J.G.バラード

『J・G・バラード短編全集01 -時の声』 『J・G・バラード短編全集01 -時の声』東京創元社 The Complete Short Stories J. G. Ballard: Volume 1 監修:柳下毅一郎 ■「序文」 J・G・バラード(J. G. Ballard)::柳下毅一郎 ・バラードの短篇に対する思い入…

結晶世界

数十年ぶりに読み返す。 前半、こんなに読みやすい冒険譚だったっけ、と驚く。 その昔、何度も舟をこぎながら読んでいた記憶がある。 今回は早川版世界SF全集で読んだので、訳者が違う。 この峯岸久訳が読みやすいのかもしれない。 いまこの作品を読むと、コ…

「狂風世界」バラードぱらぱらと読み返す。 なんと1962年に書かれた作品。 ある日突然世界中に強風が吹き始めて、数週間で時速180マイルもの風が吹き荒れる。 物語はその強風と戦いながら生き延びようとする人間たちを描いている。 SF以外になんと呼べば…

「太陽の帝国」バラードぱらぱらと読み返す。 太平洋戦争期の上海。 イギリス租界で少年期を過ごした著者を主人公にしたような物語。 映画にもなった(見てない)この自伝的な小説は、日本軍を好意的に見ているため、勘違いが多い小説かも知れない。 もう少し…

「ZODIAC2000」 J・G・バラード/増田まもる訳精神病院に10年以上入院している身元不明の元孤児の青年の象徴というか表象というか。これは小説なのかどうか。 それこそ、カットアップメソッドの昇天系としか読むことができない。 それほど自分の中で…

「メイ・ウエストの乳房縮小手術」 J・G・バラード/増田まもる訳これまたよくわからない。 メイ・ウエストは1930年代のアメリカ実在のセクシー女優。 彼女の減乳手術を医学的な文体で書いた「濃縮小説」らしいが、どこが濃縮なのか、私にはわからず。 な…

「コーラルDの雲の彫刻師」 J・G・バラード/浅倉久志訳 SFMの再録。 これまた懐かしい「ヴァーミリオン・サイズ」の冒頭短編。 柳下毅一郎の解説ではこの本のファンが多いらしい。 頷ける、というか自分が好きな傾向はこれや「結晶世界」。 いまでもこの…

「太陽からの知らせ」 J・G・バラード/柳下毅一郎訳1981年作であり、この時代を象徴するパウロ・ソレリの実験都市が舞台となっているのが、懐かしい。 この頃のアメリカにはまだ未来の光景が残っていた。 それにしてもいま読んでも、バラードの小説の筋は…

SFマガジン2009年11月号 ああ。この人も殿堂入り。 4月19日に逝去した、SF界最高級のバラードの特集。 バラードの著作リスト&自作コメント[改訂版] 柳下毅一郎=編訳が、とてもすばらしい。 マイクル・ムアコックや伊藤典夫さんの追悼にはちょっ…