太陽の帝国」バラード

ぱらぱらと読み返す。
太平洋戦争期の上海。
イギリス租界で少年期を過ごした著者を主人公にしたような物語。
映画にもなった(見てない)この自伝的な小説は、日本軍を好意的に見ているため、勘違いが多い小説かも知れない。
もう少し時間をとって読まないとなんとも言えないけれど、モームのような奥深い嗜虐性があるような気がしてくる。
いや、深読みし過ぎだろうか。
ジムが生き抜くために様々な悪事を重ねるところは、なんとなく水木しげるを連想してしまった。
野坂昭如を連想するところまではいかないのだが、大岡昇平とかいろんな名前も浮かんできたりする。
バラードのSFは日本の私小説的だというのは、大きな間違いだろうか。

太陽の帝国

太陽の帝国