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「太陽の帝国」バラード
ぱらぱらと読み返す。
太平洋戦争期の上海。
イギリス租界で少年期を過ごした著者を主人公にしたような物語。
映画にもなった(見てない)この自伝的な小説は、日本軍を好意的に見ているため、勘違いが多い小説かも知れない。
もう少し時間をとって読まないとなんとも言えないけれど、モームのような奥深い嗜虐性があるような気がしてくる。
いや、深読みし過ぎだろうか。
ジムが生き抜くために様々な悪事を重ねるところは、なんとなく水木しげるを連想してしまった。
野坂昭如を連想するところまではいかないのだが、大岡昇平とかいろんな名前も浮かんできたりする。
バラードのSFは日本の私小説的だというのは、大きな間違いだろうか。
- 作者: J.G.バラード,高橋和久
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1987/09
- メディア: 単行本
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