「創るモノは夜空にきらめく星の数ほど無限にある」宮脇修 講談社

食玩で有名になった海洋堂の社長の伝記である。
もともとはプラモデル屋から出発したのだが、その部分の回想はすこぶる面白い。
情熱とか無鉄砲とか関西商人とか、いろんな言葉が連想されてくる。
けれどフィギュア界を創造していくあたりから面白くなくなっていくのは何故なんだろう。
世界的に有名になっていくのに反して、その記述に熱が感じられない。
ある意味まだ回想になっていないからなのだろうか。
どうもいわゆる「オタク」的なモノへの愛情みたいなものが感じられないのだ。
スロットレーシングカーが好きだった私のような世代にはその方がとても安心ではあるのだが。