「大統領の最後の恋」

とても厚い本なのに、とても読書時間が短く感じられた小説。久しぶりにまだ終わってくれないで欲しいと思った本。青年時代、中年時代、老年時代の3つの話が並行して進んで収斂していくうちに主人公の心象が浮きあがってくるのは村上春樹の「ハードボイルド・ワンダーランド」と似ている。ささいな風景に人生の機微を重ねあわせるその雰囲気はオースターとも似ている。もっとこの作家の小説を読みたい。もっと翻訳されてもいい作家だと思う。

大統領の最後の恋 (新潮クレスト・ブックス)

大統領の最後の恋 (新潮クレスト・ブックス)