2015年11月

2015年11月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1710ページ
ナイス数:6ナイス

ハルモニア (文春文庫)ハルモニア (文春文庫)感想
読後感あまりよくない。 障害者を利用した芸術至高主義みたいな嫌な感じ。 戦前的な探偵小説として読むにはいいのだろうが、人間という存在の意味を示しつつ、意識的に犯罪者を描いているのは、やはり後味が悪い。
読了日:11月22日 著者:篠田節子
オリーヴ・キタリッジの生活 (ハヤカワepi文庫)オリーヴ・キタリッジの生活 (ハヤカワepi文庫)感想
主人公の女性教師の半生を描いた小さな街でのちいさなハンプティ・ダンプティな物語。主人公の大女がまるで「バクダッド・カフェ」に登場する流れ者のおばさんとダブって映る。 現実のようで物語のような静かな小説。
読了日:11月22日 著者:エリザベスストラウト
本は友だち本は友だち感想
タイトルが素直過ぎて、はずかしくない。 微笑みのなかに奥の深い知性が窺えるかんじ。 なかみはもっと深い森で、やさしい言葉に連れていかれて迷ってしまう。
読了日:11月22日 著者:池内紀
ユリイカ 2015年8月号 特集=江戸川乱歩ユリイカ 2015年8月号 特集=江戸川乱歩感想
ユリイカを読むのも久しぶり。若い執筆者に入れ替わっているね。なんとなくいまの時代の文化背景みたいなものを感じることができる。かわったような気もするが、昔も似たような人がいたよね。たとえば、西田藍とか。江戸川乱歩はそれほど好きではないけれど、雰囲気がいいのだね、戦前の違和感が。そこがいまと似ているのか。目立つ猟奇な部分よりも時代を越えるアナクロさがいい。ポーよりもラブレーに近いような親近感を昔から感じている。
読了日:11月8日 著者:北村薫,辻村深月,丸尾末広,岸誠二,上坂すみれ,高原英理,樺山三英,倉数茂
ソーメンと世界遺産 (ナマコのからえばり8)ソーメンと世界遺産 (ナマコのからえばり8)感想
なんだか久しぶりにシーナを読む。すでに老境に入っているのに、今までのように締め切りに追われている。作家は体力なのか。読んでいる方は休憩できるが、書き続ける方は深甚だよね。 しかもいいかげんな日常からだんだんとしみじみな夕暮れ文章になっているのが、同じ時代を生きているという実感がこちらにあってうれしい。 たぶん、没後もおなじように読み続ける作家だなあ。
読了日:11月8日 著者:椎名誠

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