「勉強記」坂口安吾

梵語やらパーリ語やらチベット語やら、日本から見たら少数言語を学ぶやら学ば
ないやら、主人公は変な学生だったりはするが、小説というよりはエッセイに近い。
とはいえ、谷崎や足穂のホラ話のような趣きでもある。
このだらだらとした緊張感のまるでなさがこの短篇の魅力ではあるのだが、あま
りにダラダラな展開は小説としては決壊している。