「結婚申込み」チェーホフ

チェーホフ、オモシロスギル。
人間の根本的な欲望とか行動がよくわかっていらっしゃる。
だから全然古びない。
この短篇も結婚申込みをしにきたはずの男が、結婚申込みあいての持ち物につい
ていろいろ批評する。
それに対して娘も所有欲からあれこれ言い負かす。
いったい、何の話をしているのだろうと読んでいるこちらが冷やひやする。
そこが前世紀の昔に書かれた短篇なのに、いまそこかしこで起きている小競り合
いにとても近しい。
このチェーホフの洞察力は生半可ではないねえ。
いやはや南友、面白すぎる。