2015年8月

2015年8月に読んだ本
2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3095ページ
ナイス数:43ナイス

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)感想
物語終端の「その人を憎み追いつめる情熱で、あの非人間的な体制を憎みなさい」というジーナの言葉に象徴されるような共産主義の圧制の中で生きた衛星国家の人々の息遣いが当時住んでいた日本人女性を通して語られる稀有な小説。
読了日:8月30日 著者:米原万里
1Q84 BOOK 31Q84 BOOK 3感想
とても丁寧にゆっくりと物語が進んでいたのに、急にながれが速くなって、物語が展開していく。 それが物足りない。 もっとゆっくりと最後の展開を味わいたかった。 作中に登場するプルーストの小説のように永遠に続くかのような緻密さで描いても良かったのではないかと思う。 これがライフワークで永遠に続くんだよと、春樹さんには言って欲しかった。 つまり、続編が読みたいほどにまだ謎がたくさん残っている。
読了日:8月22日 著者:村上春樹
舟を編む舟を編む感想
辞書へのウンチクが詰まった本だと思ったら、エンタメだった。こういうテーマでも楽しく読ませるとはまるで漫画家のようだ。
読了日:8月9日 著者:三浦しをん
夢見村にて 妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1) (ヤングジャンプコミックス)夢見村にて 妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1) (ヤングジャンプコミックス)感想
稗田の生徒たちのフィールワークとは。自作のフォロワーをやってしまうとは。これがまた現在形でおもしろいんだよねえ。直木賞候補になってもおかしくない、充分な円熟度。
読了日:8月9日 著者:諸星大二郎
ヘウレーカ (ジェッツコミックス)ヘウレーカ (ジェッツコミックス)感想
いまどきの歴史変革ものでもなく、sfでないのがよい。
読了日:8月9日 著者:岩明均
ラスプーチンが来た 山田風太郎明治小説全集 11 ちくま文庫ラスプーチンが来た 山田風太郎明治小説全集 11 ちくま文庫感想
タイトルのラスプーチンが登場するのは物語の後半。それまでは明石元二郎という豪快な正義漢が活躍する。面白すぎる。だれか続編書かないものか。
読了日:8月9日 著者:山田風太郎
なずななずな感想
内容は赤ん坊を預かってしまった中年の独身男の独白なのだが、こんなに厚い本なのに、日常生活の普通の流れしか現れない。 それでも満ち足りた読書だったとあとで思える作家は堀江さんぐらいなものではないか。 いやこの随筆的で個人的な小説こそ、日本の近代文学の主流であるともいえるかも。
読了日:8月8日 著者:堀江敏幸
バン・マリーへの手紙バン・マリーへの手紙感想
モノや出来事への丁寧な視線とそれをあらわす文章。 普段の日本ではあまり接することがない物事の捉え方は、この著者特有の雰囲気なのだと思いつつ読んでいる。 読み終わった後、じつはフランス文化というのは、こういう雰囲気でつつまれているものなのかとも思ったりした。
読了日:8月2日 著者:堀江敏幸

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