「駅前旅館」井伏鱒二
なんとなくこういうものを読んでみたくなった。
つげ義春を読んでいると、ときどきこの作家の名前が出てくるので、気になっていたのだ。
予想通りの面白さで、いまさらながら古くさい昭和の文学者も侮れないものがある。
Bookoffで100円で買った文学全集の端本なのだが、まだまだ探せばこういう当たりものもある。
あるいは時がたち、当時では鼻がつくような表現もいまではくたびれた背景に馴染んで、心地よいものになっているのかも知れない。
いづれにせよ、若い頃には受けつけなかっただろう、駅前旅館を営むどうでもよい人間達の絵姿が楽しめた。

駅前旅館 (新潮文庫)

駅前旅館 (新潮文庫)