「旅先でビール」川本三郎

「旅先でビール」川本三郎 潮出版社

旅先でビール

旅先でビール

川本三郎の評論は退屈なので敬遠していたが、たまたま図書館で手にとったこのエッセイは凄く面白い。
どこかで読んだことがあるような文章が続く。
あれは椎名誠だったか、宮脇俊三だったか。
川本三郎はその中間のような感じだ。
何事も踏み外すことなく、退屈でもないが、お約束をきちんと守る。
凡庸、なのである。

天気がいい日はわざわざ本を電車で読むために出かけたりする。
そういうときは露の季節が空いていていてよいらしいが、実は雨に濡れる日本の風景はとてもよいものらしい。
そうした光景を交えながら描く「駅物語」はへたな紀行文に慣れてしまった身には気持ちよい。
あるいは「男はつらいよ」の寅さんが歩いた町を歩いたりする。

もうすこしこの人のエッセイを読みたくなった。

ここにあった面白そうなビール本

・「ビールと日本人」キリンビール編 三省堂

・「麦酒読本」高山謙治 (昭和11年)