「丹波丹後路」

夕暮れに百姓たちが水田に牛を追って耕作している図を、まるで絵画のように書き記している。
とても静かでわびしくて、まるでつげ義春の世界である。
こうした旅エッセイは知っている土地の、時代を越えて古いたたずまいを描いているものが面白いし、興味深い。

文泉堂版林芙美子全集第十巻所収