ビブリア古書堂の事件手帖3

栞子さんと消えない絆
三上 延

ヤングの『たんぽぽ娘』がいくつかの本に収録されるようになったのは、この第三巻のおかげだと思う。
古書価が高く、なかなか読めなかった短篇だけに、その読後のイメージは鮮やかで、アニメ向きだと思う。
この作集でもその中身より絶版文庫がテーマになっている。
宮澤賢治を扱った三話では春と修羅』の初版本にまつわる薀蓄がひかえめに紹介されている。
しかし毎回思うのだが、登場人物のように本に書かれている文章を暗誦できる才能が欲しいと思うのは、私だけではないと思う。

プロローグ 『王さまのみみはロバのみみ』(ポプラ社)I
第一話 ロバート・F・ヤングたんぽぽ娘』(集英社文庫
第二話 『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』
第三話 宮澤賢治春と修羅』(關根書店)
エピローグ 『王さまのみみはロバのみみ』(ポプラ社)II