「マッサージ療法士ロマン・バーマン」デイヴィッド・ベズモーズギス

堀江敏幸編集の「記憶に残っていること」の冒頭にある短編。
カナダへ移住したロシア系ユダヤ人一家が、新しい地で生活を築いていく姿を描く連作短編集「ナターシャ」から採られている。
苦労して50歳を過ぎてマッサージ治療院を開いた父の客集めに、子供かビラを撒いている様子が痛々しい。
そんなとても哀しい風景と言葉がいくつも語られている。
なんといってよいのかわからないほど、不気味でもある。