「日常礼賛」ツヴェタン・トドロフ著/塚本昌則訳

絵画のテーマとして、歴史、宗教、文学の光景を描くことを止めた17世紀のオランダ。
日常の光景を描くようになった作家の関心や世界の変遷の根本的な変化の意味を平易な言葉で説明した本。
なんとなくその意図するところは未開ななりにもわかった気がしたのだけれど、平静から自然画に馴染んでいる東洋人にはいまひとつわかりにくい、ような気がする。
もともと西洋がなぜ物語的なテーマがメインの絵画を正統と見做すようになったのか。
雰囲気としてはわかるけれど、世界大戦を経た日本人にとっては、あまり実のない話のような気がした。