椎名誠

「みるなの木」椎名誠 椎名誠の超常小説短編集、全十四篇。 この奇態な語呂合わせなどの言葉遊びを駆使した日本語の使いかたはあまり文学的には注目されていないのではないか。 実験性ということであれば筒井康隆の小説と並ぶし、独自の造語を用いて翻訳活動…

【イスタンブールでなまず釣り】

「イスタンブールでなまず釣り」椎名誠 椎名誠はぼちぼちと文春文庫全冊読破をしようと思っている。これは1984年-昭和59年に書かれている。 トルコや西ドイツにいって、苦難やヨロコビ、ビールを 楽しむ話。 個人的には「突然的帝都縦断101キロ1520…

【赤目評論】

1984年-昭和年に書かれている。 赤目というのは、血走ったという意味だと思うが、 割といろんなことに怒っているエッセイが多いためかも 知れない。 昭和の時代なので国鉄とか社員旅行やらカラオケなんかに 怒っている。 既に生ビールに対しても怒っている。…

【ハマボウフウの花や風】

様々な仕事場の中で生じる、いろいろな人々の情緒をせつなく描いた短編集。 椎名誠を読んでいる人には私小説として思い描かれる内容が多い。 そしてその背景はとても昭和的であり、感傷も味わえる。この小説ではふたつの短編が映画化されているらしい。 「倉…

【場外乱闘はこれからだ】

伝説のラーメン屋「大勝軒」から始まる、もう二十五年も昔のエッセイ集。 スポーツ誌の連載なので格闘系の話題も多いが、飲む食う系の話題も多い。 既にシーナのプロタイプはできあがっている。 まあとにかくなんとかかんとか読まずにはいられない。 必殺四…

【胃袋を買いに。】

「胃袋を買いに。」椎名誠 1991年5月 文藝春秋 1994年4月 文春文庫椎名誠のSF短編集、といってよいのだろう。 この作家独特の固有名詞がぞろぞろ登場する、著者の言葉を使えば「超常小説」という現代世界の延長線上にある近未来、あるいは不思議な…