シャーロック・ホームズの復活

シャーロック・ホームズの復活 (創元推理文庫) 文庫 – 2012/6/29
アーサー・コナン・ドイル (著),‎ 深町 眞理子 (翻訳)
深町眞理子さんの訳がいいね。

深町眞理子さんの新訳がとてもくっきり、しっくりくる流れになっている。
もう百年も昔の英国の話なので、背景がわかりにくいところがいろいろある。
その分を話の面白さで補えているのはキャラクター描写や推理のアクロバットにあると思うのだ。
それを支えきっている深町眞理子さんの訳はとてもいいと思う。

モリアーティ教授と決闘で死亡したと思われたホームズが復活する様がまた、晦渋的というか英国的というか、茫々としてていい。
また、ポオの「黄金虫」と並ぶ暗号ミステリの至宝「踊る人形」も、何度読んでも味がある。

珠玉の13編。
・空屋の冒険
・ノースウッドの建築業者
・踊る人形
・ひとりきりの自転車乗り
・プライアリー・スクール
・ブラック・ピーター
・恐喝王ハミルトン
・六つのナポレオン像
・三人の学生
・金縁の鼻眼鏡
・スリークォーターの失踪
・アビー荘園
・第二の血痕