「京都」

京都の庭を語るなど、まだまだ先のことと書いている林芙美子だが、京都の風情をきめ細かさをうまく描いていると思う。
その静かなで趣味のいい人々や風景を自分なりに愛でているのだが、ほんのちょっとした言葉に古都への反抗のような心が見える気がする。
少し無理している感じで、林芙美子には京都は似合わないと思う。

文泉堂版林芙美子全集第十巻所収