2013-01-01から1年間の記事一覧

「猫がラジオを聴いていたころ」瀬川深

猫というラジオネームを使っていた青年が岬に帰ってくるところから始まる、回想譚。 『ミサキラヂオ』より先に文芸誌に載せられた一編のため、その原型かと思っていたが、独立した短編。 独特な雰囲気の岬の世界での出来事を回想していく様は、21世紀に入っ…

『ミサキラヂオ』瀬川深

とにかく舞台設定がよい。2050年頃の退屈な世界の話。 三浦半島と思われる場所の雰囲気がよく、日本の衰退がここかしこに象徴され、すべてが郊外の光景となってしまっている。 独特な雰囲気の岬の世界をノスタルジックに描いたスリップストリームと読んでよ…

Top Ten Slipstream Books/Chris Priest

Top Ten Slipstream Books/The Guardian, May 2003スリップストリームがどんなものかについてプリーストは、マジック・リアリズムを持ち出していますが、それをも含んだ大きなコンセプトだと言っています。 私はマジック・リアリズムとは年代的に切り離され…