いまの文学者

今、文学者というと、ふたりしか思い浮かばない。
高橋源一郎堀江敏幸である。
小説家はいっぱいいると思う。
村上春樹を筆頭に、いくらでも小説を書くために生まれてきたひとはいる。
でも、小説も書くけど、文学、とういう大文字を考えている小説家はいまはいないと思う。
高橋源一郎はそれを戦略的にやっている。そういう小説も書いている。
堀江敏幸はそれを意識的に避けている分が反転的に文学的にならざるを得ない構図となっている。
いずれ、あと100年も経てば村上龍も文学者になるのだが、このいまでは文学者ではない。
なにかそこにはぶんがくを成り立たせようとする輪郭のようなものがふたりのはある。
意図的であるにせよ、回避的であるにせよ。