2016-01-07 「予言」 久生十蘭 正月はなにか長編を読もうと思っていたけれど、弛れていてダメだった。 この短篇はとてもよくできていて、ホラ話的にひきずりこまれる。 変わった主人公がとても変わった人生に巻き込まれていく、やはり異端作家にふ さわしい内容。 予言をされた通りに人生が展開されていくのだが、その実はみたいな話もあり、 それでもって万華鏡のような時間の過去と未来を見せてくれる。 さすが、小説の魔術師と言われた十蘭ならではの傑作である。青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/cards/001224/card46078.html 久生十蘭全集第2巻所収 (三一書房)