墓が呼んでいる

「墓が呼んでいる」橘外男
雲仙の隠れ里にクロアチアの美人姉妹が棲んでいるというお話。
いまでも充分に楽しめる悲恋ものであり、歌舞伎とかを台本としている感じで、とても仰々しいが、その感覚がまた古風でよい。
ただ作品の完成度が高いわりに、タイトルがいまいちだと思う。
もうちょっと異国情緒を出せば、人の口に上ると思うのに、もったいない。
橘外男は全作品を読みたい作家のひとりなのだが、今では古書価が高くてなかなか手が出せない。
もっと青空文庫に入ってくれるとうれしいのだが。