「バーラミー」 (『新潮』2005年1月号掲載)プラープダー・ユン(宇戸清治訳)

タイの作家の小説というのは、初めて読む。
いや正確には東南アジア叢書を読もうとして、挫折したクチだ。
とても硬直した歴史物語だったと思う。
それに対し、この作家はいきなり現代的かつヴィヴィッドに古典的なのだ。
まるでボルヘスのようであり、芥川龍之介であるようなドッペルゲンガーもの。
なぜタイの作家が?ゴシックな小説なんかを書くの?
とても不思議な感じがするけれど、日本の明治時代の換骨奪胎小説のような違和感があるものではなく、タイの作家だから書けた必然性なども読んでいるうちに浮き上がってくる。
検索してみて糸井重里がひっかかってくるあたりも、現在を象徴している。
とにかく驚いて惹きつけられた一編。

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▼ネット上のリソース

プラープダー・ユン - Wikipedia

ほぼ日刊イトイ新聞 -担当編集者は知っている。

ほぼ日刊イトイ新聞 -ご近所のOLさんは、先端に腰掛けていた。

http://hamigakifonkun.cocolog-nifty.com/maphraau/2011/05/post-ce8c.html