【少女には向かない職業】

とても今の若い人の空気や時代感を表している痛々しい小説だと思う。
でも中年になった自分にもこういう感性はあったのかも知れない。
こんなきりきり尖った感覚は、既に遠くに置いてきたのだとも思う。
おそらく十代の頃に読んでいれば、かなり精神的な影響を受けそうな小説でもある。
そういう意味では危ない小説なのだが、どこかしら登場する少女を見守るような文章であり、十代や二十代の人が特権的に読めるものというわけではない。
かなり、現代に生きている中学生という実在を感じることができる。

[少女には向かない職業 (創元推理文庫):title]