この作家は直木賞を取っていたので、ネットを見ていたら、山田桜丸名義でゲームシナリオもいろいろ書いているらしい。
直木賞受賞時の選考も載っていて、いろいろあるけどなかでも宮城谷昌光の評が的を得ていると思う。

特異な才能をもっているのはあきらかであり、この作家と併走できる編集者がいれば、そうとうにすぐれた人である。桜庭氏は右顧左眄することなく、信念をつらぬいてゆけばよい。多作である必要もない。いつか巨大な現代批判が作品として結実するようにおもわれる。

この作家がなんとなく他の若い作家と違うところは、「物語おたく」であることだと思う。
読書日記を読むとこの作家が小説を読んだり、書いたりしている光景を楽しくみることができるが、それはどうも既にある二次元の物語世界を自分なりの好みで編集しているように思える。
その方法はどうもオタクでしかないような気がしてしまうんだけど。