2009-12-08 【永日小品】 夏目漱石 ときどき間欠泉のように漱石が読みたくなる。 でも体力気力がなくて長編が読めないので、小品が心地よい。 「永日小品」は、随筆のような小説のような手遊びのような小品。 それこそ風景画を見るように気分が漂える。それでも「過去の匂い」なんていう小品は、よく読むと貧困と情念、人間の性といったものが一挙に押し寄せてきて、とても重苦しい。 まるでアーヴィングを読んでいるような気分にさせられる。 情景は物を言わない死物ではないということだ。