「 ガリバーが行く」野田知佑(新潮文庫)を読み終わる。

日本と世界の川をカヌーで下りながら紡いだ言葉の数々を収めた漕ぎおろしエッセイの第三弾。
別にアウトドアにもカヌーにも興味ないのに、最近この人の本ばかり読んでいる。
きっと自分にはない、男性としての価値観が貫かれているからだと思う。
少年の頃はこんなふうな男になりたかったのかも知れない。
もう遅いな。

いつも読んでいるアカオニオさんの「はしるてつがく」(http://www.geocities.co.jp/Athlete-Olympia/3761/)の日記に、聖書の言葉「文字は人を殺し、霊は人を生かす」が引かれてあって少しどきりとした。
かみさんとの喧嘩は文字をめぐって行われたもののような気がしていので。
「群集の中で発することばはしばしば、ただの音声の連なり、命をもたない言葉になってしまい、使い方を誤れば、たぶん人を殺すことばにもなります。」とアカオニオさんは書かれていますが、その通りですね。
文字や言葉は人を理解したり考えたりすることはできるけど、きっとそれだけでは平坦化してしまうんだと思います。本当にその人のことを考えているんではなくて文字(自分)のことしか考えてないから、じきに他人のせいにしたり、挫折感や疑心を生むんだろうね。
ごめん。