音盤考現学
「音盤考現学」片山杜秀
武満徹、伊福部昭、佐藤聡明、高橋悠治、芥川比呂志。。
一時期よき聴いていた日本の作家が心地よく並んでいる。
いままで彼らのような現代音楽はいかに高尚か、あるいは退屈か、楽しくないか、つまらないか、そんな物言いでしか登場しなかったような気がする。
ここに至って、片山杜秀は彼らの音楽を楽しくて仕方ないほどにその魅力を語ることに成功している。
しかも、伊福部昭や武満徹の映画音楽さえもオタクの勢いで庇護し、その楽しみのなんたるかを力説してくれる。
久しぶりに批評というか解説というか、文字を読んでその音楽を聴きたくなるという経験をさせてもらった。
でもかなりの数でこの著者と好きな現代音楽家が一致しているのは、ほぼ同年代の書き手だからだろうか。