土佐源氏宮本常一

昭和34年

記録文学、あるいは伝聞物語りの成果といってよいだろうか。

戦前の極道、博労あるいはアウトローとして生きた男が放浪を重ねつつ、その後盲目となり老い果てていく様を語っていく。

そのタイトル通り、幾多の女性とともに時世を送り、翻弄されていく様をありのままに書き留めている。

民俗学の範疇をはみ出し、文学あるいは物語としての結構と底力を持った、宮本常一の代表作といってもよいか。

忘れられた日本人 (岩波文庫)

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