「秘教の都」ブルース・スターリング 小川隆

魔術都市トリノを舞台としたオカルト的な世界をあつかった、それでもスターリングらしいキッチュで批判的な精神に満ちた短編。
エコロジーというちょっとオカルトとはほど遠いテーマを盛り込み、白黒ではなく「緑の魔術師」なんて登場する、ちょっとオカルト小説とはほど遠い倫理的な話に移っていく、これまたSFとしかいえないような作品。
解説によるとスターリングはいまトリノに住んでいるらしい。
相変わらず鼻の利く作家ではある。